雷さんの嫁はアタフタする

国際結婚をした自身の体験記や自身の書き残したかった日常

夫との出会いは私にとっては人生の分岐点

今思えば二十歳になるまで親に甘えて緩やかな人生という川に浮き輪付きでゆったりと浮いていただけだったと思う。
特別になにかしたいわけでもない。
学校の勉強をそこそこして、アルバイトをして、そんな生活をしていたかなって今思えばそう感じる。

さかのぼること大学二年生。学校の行事で短期留学をすることを決断したところから人生の川の流れは渦を巻いていったんじゃないかな。(今も荒れ気味)
中国語を勉強する為に日本に留学していた今の旦那さんに出会うわけです。

彼は出会った頃から既に日本語は流暢で、日本に生活する為に、将来の自分のための勉強に、何事にもとにかく一生懸命だった姿が印象的だった。
夏休みに彼が中国の実家に帰る時にお土産を選ぶその内容が私と似ていたこともなぜか私の中では好感ポイントでした。(笑)
どちらからというわけじゃないけどお付き合いすることとなる。

そんな彼も日本で卒業した後に中国へ帰ることとなる。その時は帰ることに関しては反対はやっぱり出来なかったな。
その時は自分のせいでこの人を縛り付けたくなかったって思ってた。
私大学三年生。卒業まではまだ一年あったわけですから、遠距離恋愛となる。

そんな私も一年後には卒業する予定なので、自分の身の振り方を考えながら日本で就職するなら中国と関わり合いのある仕事を探した。とにかく駐在員になれそうな仕事をと。
もちろん新卒のペーペーがそう簡単にあっちに行けるわけもなく、面接はことごとく破れていった。(今思えば当然だけど。)

彼は彼で実家を離れて日本人が沢山いる上海に住んでの仕事を選択していた。もしも私が中国に来ても大丈夫の様にとの行動だった。
上海には日本人の仕事もあるというのも教えてもらう。

しかし私は今まで実家暮らし。海外旅行はしたことあれど、一人暮らしをしたことがない。ましてや海外…。

それに私の両親には彼のことを話したことがなかった。彼が日本に留学している時にあわせれば良かったんだけど、タイミング悪く
「娘が外国人の彼氏を連れてきたら?」
的なテレビ番組をしていた時に、父親が
「俺はイヤだぁ!」
と言っていたのを覚えていたのでなかなか言えなかった。相談も出来なかったんです。

そんな両親を横目に、自分の部屋を片付け始める。
好きだった漫画は全部ブックオフへ売りに。その時漫画とは卒業したんです。
売れるものはとにかく売り払った。
いらないものは捨てた。
自分の勉強机の中・引き出し・押入れはどんどん空になっていった。
片付けながら私は卒業後は中国へ行くことに決めて行った。

情報収集をし、あっちに行ったらすぐに面接にいけるように根回しをした。
中学卒業以来の同窓会も初めて参加した(笑)
卒業式の次の日に飛行機に乗ろうと決めた。
その頃の日本での生活はどうしたら中国で生活できるか考えることが必死で心ここにあらずみたいな感じだった。その時の日々はあまり覚えていない。
もう秋頃だったと思う。

全てあらかた決めた後に母には少しだけ話した。
父には話せなかった。
母は反対するでも賛成するでもなく、写真はないのか?と言って写真の提示を求められただけだった。

卒業式は父母そして今は亡き祖父と、今や宗教にハマってしまった祖母も参加した。
恐らく母の根回しだっただろう。状況も把握していた。
なにか言われるんじゃないかと思ったが何も言われなかった。恐らく何も言えなかったが正しいだろう。

その日の夕方ひいお婆ちゃんからお小遣いを久しぶりに少しだけどもらった。どうやらひ孫はもう帰ってこれない場所に行ってしまうと勘違いしたようだった。(戦争経験者なのでさながら戦地へ送り出されるかのような雰囲気だった)

卒業式の次の日、なんてことはないいつも通りの日だ。父も母も仕事だった。
一人スーツケースを一つ持って飛行機に乗った。

今思えば迷いながらも突っ走り、迷いながらも海外へ出た自分は危なっかしくて、エネルギーがあって、とにかく行動が若いなと。
恋は盲点という言葉は正しいなぁと。

中国についてスーツケースを整頓していたら母からの手紙が下の方から出てきた。(ビックリした)
今まで両親や祖父母の言う事を素直に聞いていた私が、両親や祖父母に背を向けてこのような決断をすることにびっくりしたこと。後悔しないように行動すること。が書いてあった。

そんな手紙を見て彼は(今の夫)は両親宛にメールを送った。(実はこれはだいぶ経ってから母から聞いたんだけど)

そこからは生活に必死だったし、とにかく今までで一番印象に残る日々だったと思っている。

今や二児の母として思うことは私みたいな行動を娘がとろうとしたとき、やっぱり親としては心配で、止めたいけど、引き止めることは難しいんだろうなと。
娘には娘の人生があるし、せめて温かい目で見守るしかないのかもしれないなと。

私の場合はそのまま結婚してなんかもう人生あれやこれやの大波小波の生活ですけど。
その後起業したこともザッパンザッパン荒波な感じ満載で……。
多分日本人の人と恋愛して結婚していたら海外で生活することも恐らくなかったし、起業することもなく人生が流れていたのかもしれないなと思うと、この人と出会って貴重な体験をいくつもしたなぁと思い知らされます。

それでもやっぱりこの人の嫁は私で、私の夫はこの人で、二人の子供達の笑顔が毎日の宝物です。


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